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Science(サイエンス)という世界的に権威ある科学学術誌があります。このサイエンスの2013年ブレークスルー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのが、今回とりあげる「ニボルマブ」になります。

あのサイエンス誌が一昨年に、もっとも人類にとって革新的で発展的であると結論づけたこの「ニボルマブ」・・・いったい何なのかというと抗癌剤なんです。

抗癌剤というとこれまでにも色々と医療の現場には登場してきていますが、このニボルマブはそれまでの抗癌剤とは一線を画す画期的な抗癌剤として位置づけられています。

画期的な抗癌剤ニボルマブはどのようにガンに作用するのか?

人間には外界から体内に侵入してきたものに対する免疫機能という優れた機能が備わっています。

なので口や鼻などから細菌などが入ってきてもTリンパ球と呼ばれる免疫細胞がこの侵入してきた異物を感知し、襲いかかり無力化するシステムが標準装備されているんですね。

しかし、ことがん細胞となるとこの機能が働かないことがあるんですね。免疫細胞ががん細胞に近づくとPD-1という大事な箇所をとらえられ、がん細胞を攻撃する力を奪われます。

たとえが適切ではないかもしれませんが、アニメ「ドラゴンボール」に出てくる、サイヤ人がしっぽを握られると力が出なくなるような感じだと思います。

で画期的な抗癌剤ニボルマブは、免疫細胞の要となっていたPD-1にバリアをはり、がん細胞の攻撃から守り、さらに本来の免疫機能によりがん細胞を逆に攻撃するという、なんともファンタスティックな方法でガンをやっつけてくれるわけです。

現在ガンの治療には、外科的に直接幹部を取り除く方法、薬を使った化学療法、あと放射線を使った放射線療法などがありますが、ニボルマブは人間が本来持っている免疫機能を活性化し、がん細胞に働きかけるので「免疫療法」と呼ばれる方法になります。

C型肝炎などに用いられるインターフェロン療法は免疫療法として知られています。

ニボルマブ治療適応ケースと副作用に関して

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P1090146 / rkimpeljr

画期的な抗癌剤ニボルマブですが、癌(がん)であればどんな患者さんでも使用できるかというとそうではありません。

適応基準として外科的手術が困難で化学療法をすでに受けられているがん患者さんが対象となっています。

さらにニボルマブに含まれている成分に対し、過去アレルギー反応をおこしたことがある患者さんは使用すると重いアレルギー反応を起こす可能性があるので使用できません。

また、免疫機能に働きかけ癌細胞を攻撃するので、自己免疫疾患のかたや間質性肺疾患の罹患経験がある方もニボルマブの使用は出来ないとのことです。

また副作用としては、間質性肺疾患、肝機能障害・肝炎、甲状腺機能障害などがあげられます。

特に高齢者の肺疾患には注意が必要なようで、発売元の小野薬品のサイトにはその辺の副作用に関する注意事項が記載されています。

【注意】下記リンク先にある「オプジーボ」はニボルマブの商品名です。

オプジーボの主な副作用

ニボルマブへの期待感と無念感

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sunrise 1 / SFB579 🙂

画期的な免疫療法のにないてニボルマブですが、今後さらなる進化を期待したいところです。

ウィキには「肺癌、腎細胞癌については治験中」と記載があるので、この抗癌剤が進化、進歩すればこれまで治療が難しかったがん患者さんの新たな治療のカードとして選択肢が増えることになるかと思います。

しかし、新薬ということでまだ薬価がかなり高額になっています。

【ニボルマブの薬価】

    20mg 2mL 1瓶 150,200円

    100mg 10mL 1瓶 729,849円

用量:1回2mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静注

日本では昨年承認されて9月から小野薬品から発売になったばかりの抗癌剤なので、まだまだ認知率、普及率ともに高くないと思います。

これが全国的に知られるようになり、治療効果、治療実績も数多く報告されるようになればいくらか薬価の方も下がってくるのではないでしょうか。

願わくばあと三年、いや一年早く日本の医療現場で使えるようになってほしかったです。

ガンで亡くなった私の知人やまた著名人などでこのニボルマブによって救われた命があるかもしれません。

それを思うと非常に残念です。今後の動向に期待したいです。