近年、円安傾向にあることもあって外国人観光客が日本の各所で数多く見かけられるようになってきました。
少子高齢化で経済の起爆剤となるようなものが日本国内に見いだせないこともあってか、この外国人観光客の誘致に力をいれてる自治体が非常に多くなっています。
そこで、今回はこの外国人観光客の誘致の成功例をいくつかご紹介し、どのような視点で外国の方をお迎えするのがよいのか考えてみたいと思います。
長崎市端島【通称:軍艦島】Googleマップ+ロンリープラネット+世界遺産の3つの矢が功を奏し外国人誘致に成功
つい先日、「明治日本の産業革命遺産」の一つとして「世界文化遺産」に登録が決定したことで話題になった長崎市の沖合に浮かぶ端島・・・通称軍艦島。
この軍艦島が近年外国人の観光客に人気で誘致成功にいたっていることをご存知でしょうか?
この軍艦島がもともと炭鉱として多くの人で賑わっていたのはご存知の方も多いかと思いますが、この炭鉱が閉山になり現在のように無人島になったのは1974年のことになります。
今から40年ほど前のことです。
それから、島にある建物が廃墟となる今日までこの島がスポットライトを浴びることがそれほどありませんでした。
しかし、映画のロケや人気ミュージシャンのMVが撮影されたりとその認知度が徐々に上がってきました。
そんな中、「ロンリープラネット」という世界で一番著名な旅行ガイドブックにこの軍艦島が紹介されたのです。それも「行く価値がある」ところとして・・・・。
これで一気に海外の人に軍艦島の存在が知られることとなりました。
さらに昨年、みなさんご存知の検索エンジンの最大手グーグルのサービス、「Google Maps」(Google マップ)にこの軍艦島が掲載されました。
長崎港から出発して、端島(軍艦島)までの海上を地図上を移動して閲覧できるようになっています。島のまわりも一周できて、さらに島の内部もことこまかに移動して、見ることができます。
これで海外の人たちの火がついたのではないでしょうか?
もともと観光に力をいれていた長崎県ですが、九州の西の端という地理的に不利な条件でありながら、地元に昔からあった遺産を観光資源にうまくかえて外国人観光客の誘致に成功した事例だと思います。
広島県尾道市:地道な活動が実を結んだ事例
今回はもう一箇所、外国人観光客誘致の成功事例をご紹介します。
風光明媚な瀬戸内海を臨む広島県の尾道市になります。
外国人観光客誘致の成功事例を見ていくとその多くがインターネットをうまく活用されているところが多く見られます。
尾道市もその一つといってよいでしょう。
尾道観光協会のとりくみ
尾道市にある尾道観光協会は5年前から動画投稿サイトYoutubeにチャンネルをつくり、街の魅力を世界に向けて発信されてきています。
さらにこの観光協会のサイトは、日本語だけでなく、フランス語、英語、中国語、韓国語と4カ国に対応してより多くの世界の方々に尾道の魅力を発信されています。
尾道観光協会
http://www.ononavi.jp/index.html
Youtube 尾道観光協会チャンネル
https://www.youtube.com/user/OnomichiTA/videos
あと上記のYoutubeにアップされている動画をご覧いただくと分かりますが、自治体や観光協会などだけが尾道市のPRをしているのではなく、市民レベルでも地道にわが町尾道の魅力を世界の人たちに伝えていらっしゃいます。
個人の方が情報を発信、さらに海外の方とコミュニケーションをとりあってるツールとしてSNSがうまく活用されているようです。
FacebookやTwitterなどを通じて海外の日本に興味がある方々に広島県尾道市の魅力を発信されています。
空き家再生で出来た低料金で宿泊できるゲストハウスに外国人観光客集まる
尾道市の外国人観光客誘致でもう一つユニークな成功事例をご紹介します。
それは、市内で空き家になっている家をゲストハウスに改良し低料金で宿泊できるようにしたところ、これに目をつけたのが外国人観光客!
運営はNPO法人がされているようですが、サイトも魅力的なものを作られ、英語、フランス語の二ヶ国語対応で世界に尾道の魅力を発信されています。
あなごのねどこ
http://anago.onomichisaisei.com/
こちらのゲストハウス、1泊2800円から宿泊できるので、円安になってる現在といえどもこの低価格の宿泊料金は海外の方々には非常に魅力的なんだと思います。
これにより、外国人観光客の数が7倍になったというのですから、その効果たるやすさまじいものがあります。
やはり、海外の人たちに自分たちが住んでる日本の街をいくら魅力的に紹介しても、現実的な話、旅費や宿泊費が高額になるケースが、外国人観光客誘致の伸び悩みの大きな要因になっているのではないかと思います。
それを考えると、このように低予算で宿泊できる宿があることを海外に発信することは、その街の魅力を伝えるよりもかなり重要なことかもしれません。
まとめ
土地土地の経済の活性化のために外国人観光客誘致に力を入れている自治体は数多く存在します。
その中で、うまく誘致に成功したところは、その都市、街の強みを活かした誘致計画を実践し、あと実際に日本に訪れる外国人観光客のニーズを上手く取り入れ、問題解消することで誘致の成功に繋げられているように今回感じました。
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