あなたは、自分が運転してる車が水没することって、まず皆無だと思っていませんか?
車の水没と聞くと、多くの人は海などでアクセルの踏み間違いで落水するケースをイメージされるかと思いますが、これ以外にも、あなたが運転してる車が水没するケースは色々考えられます。
そこで、今回は万が一、車が水没した時の脱出方法、対処方法として事前に是非知っておいた方がよい重要なポイントをご紹介します。
車が水没する事なんてありえないと思っているあなたに知ってほしい、過去にあった水没事故事例
多くのドライバーさんは、自分が運転してる車が水没するなんてありえないと思われているはずです。
そんなみなさんに知っておいていただきたい水没事故の事例をご紹介します。
集中豪雨で道路が冠水。夜間で道路が冠水してる事に気づかず水没
梅雨の時期から秋口にかけてだと、梅雨前線や台風の影響で集中豪雨で道路が冠水することがあります。
冬場でも大気が不安定になってゲリラ豪雨にみまわれ道路が冠水するケースは近年数が増えているように思います。
そこで、下のニュース動画を御覧ください。
【東京新聞】
車水没 通報むなしく女性死亡(栃木県鹿沼市) 遺族に消えぬわだかまり
http://www.tokyo-np.co.jp/hold/2010/sonogo/news/201003/CK2010033002000128.html
当時、現場ではゲリラ豪雨で視界がかなり悪かったようです。夜間ということもあって、亡くなられた女性は道路が冠水してることに気付かず、そのまま溜まっている水の中に車ごと突っ込んでしまったようです。
このケース、普段車を運転されている方であれば誰でも遭遇する可能性があるのではないでしょうか?
道幅の狭い道路で、対向車と離合中に左側への幅寄せ失敗で川に転落し水没
これはニュースソースが見つからなかったのですが、田舎の道幅が狭い道路で対向車がやってきて、すれ違うときに左側へ車をよせすぎて、そのまま左下の川に車ごと転落。
そのまま水没してしまったというケースです。
これも、車を運転される方であれば誰しも遭遇しうる事例ではないでしょうか?
で、このような偶発的な水没事故の時に、車内から脱出するときに、是非頭に入れておきたい重要なポイントがあります。
車が水没するとシートベルトが外れなくなる事がある。
上の動画の中でリポーターの方がお話されていましたが、車が冠水したときに
シートベルトが外れない!
ことがあるんですね。水に濡れて体にからまってとれにくくなる事もあるようですが、それよりも、普段シートベルトを着脱するときにカチカチとやってる、あのバックルの所が外れないようになるそうです。
最近クルマを購入した時に、水没した車から脱出する時に使う「脱出用ハンマー」を装備されているディーラーさんも多くなっているようですが、この脱出用ハンマーにシートベルトを切断するための「カッター」がたいてい付いています。
私は最初このシートベルトカッターがそんなに必要なものなのか?と思っていたのですが、車が冠水したらシートベルトが外せないケースがあるということを知って、このカッターの重要性について気づいた次第です。
フロントガラスは脱出用ハンマーでも割れない
これも私は知らなかったのですが、脱出用ハンマーで冠水した車内から脱出するさいに、フロントガラスを割って脱出しようとしてもほぼ割れることはないそうです。
下のJAFのYoutube公式チャンネルにアップされている、動画でこのことが指摘されています。
クルマが水没!!何を使えば窓が割れる? 【JAFユーザーテスト】
※JAF Youtube公式チャンネルより
私などは体が大きいものですから、もしこのような水没事故に遭遇した際、なんの知識もなかったらおそらく面積が広いフロントガラスを割って脱出する方法を試みるかと思います。
この、事前に知ってるか知らないかというのはもしもの時に明暗を分けることになるかと思います。
車の車種にもよるかと思いますが、車が冠水してから水没するまで、私達が想像するよりはるかに短い時間なので、とっさの判断があなたの生死を分けることになりかねません。
フィルムが入っているガラスは脱出用ハンマーでも割れない
前章の動画でも触れられていますが、水没した時に窓ガラスを割って脱出するのはサイドのドアについている窓ガラスになりますが、この窓ガラスにフィルムが貼られていると脱出用ハンマーで割れないそうです。
住宅用の窓ガラスに防犯用でフィルムを貼ることがありますが、あれと同じことだと思います。
運転席横の窓ガラスや、助手席横の窓ガラスにスモークフィルムを貼ってる車をたまに見ますが、車が冠水したりしたときのことを考えるとフィルムは剥がしたほうが賢明かと思います。
あと、前の運転席や助手席の窓ガラスには何もフィルムを貼ってないクルマでも、後部座席のサイドの窓ガラスにはフィルムを貼られている方は非常に多いかと思います。
また後部座席にはお子さんなどをのせていることが多いかと思うので、これも万が一のことを考えるとフィルムは貼らない方が良いように思います。
脱出用ハンマーは1個じゃ足りない。サイドガラスの枚数だけ用意しておくのがベスト
ここまでお伝えしてきたことを踏まえると、すべての車には「脱出用ハンマー」は必需品だと私は考えます。
現在、かなり多くのドライバーさんがこの脱出用ハンマーの重要性に気づき、カーショップなどで自主的に購入されて車の中に携帯されているようです。
しかし!
そのほとんどの方が、車の携帯してる脱出ハンマーは「1個」だと思います。それも、携帯してる場所は運転席近くではないでしょうか?
考えてみてください!
もし、あなたの運転する車が水没した時、あなたの車の助手席には恋人が乗っていたとします。
あなたは、車が水没したことでパニックなって、脱出用のハンマーをまずは取り出し運転席側の窓ガラスを割ったとします。
しかし、シートベルトをその前に外すのを忘れて車の中に水が入ってきてるのにもかかわらず、シートベルトが外れません。慌てて、脱出用ハンマーのカッターでシートベルトを切断・・・。
ようやく、車外へ脱出可能に・・・。
ちょっと待って下さい!
助手席のあなたの恋人はどうなるのですか?
もっとパニックになるケースとしてワンボックスタイプの車に子供連れで乗られている時に水没事故に遭遇した時・・・。
3列シートで運転席にお父さん、助手席にお母さん、後部座席中央に二人の子供、最後尾の3列目にも二人の子供・・・。
車が水没・・・・脱出用ハンマーは運転席に下に設置してあった「1個」だけ。
この脱出用ハンマー1個だけだと、後部座席のお子さんたちは車外に脱出できない可能性がかなり高くなると思います。
ですので、脱出用ハンマーは乗車定員の数だけ用意しておくべきだと私は思います。
JAFの動画であった小銭を入れた袋とヘッドレストを使った脱出方法について
JAFさんの動画にケチをつけるつもりはありませんが、2点ほど気になるところがあったので書いておきます。
まず、窓ガラスを割るときに使用されていた「小銭をいれた袋」と「ヘッドレスト」を使った場合はどちらも窓ガラスは割れてませんでした。
しかし、小銭の方はビニールの袋をもう少し丈夫なものを使用して、さらに小銭も10円玉や50円玉、100円玉などを20枚ぐらい入れて遠心力をうまくのせてやると結構割れると思います。
ビニールの袋はコンビニ袋やスーパーのレジ袋を2重にしてやるとよいかと思います。
あと、ヘッドレストを使って窓ガラスを割るのは金属部分を窓ガラスに直接打ちつけるのではなく、窓ガラスとドアの間のゴムが入っているところに金属部分を押し入れてテコの原理で下に押し下げると窓ガラスは割れるそうです。
これらは、ほんとに最後の手段かと思います。ですので、やはり事前に専用の「脱出用ハンマー」を是非乗員定数分用意されることを、強くおすすめします。
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