今回は空き巣に関連するお話です。
夏場になると、家の中が暑いから窓などを開ける機会が増えて、空き巣の被害にあうケースが多いであろうと思っていましたが・・・実はそうでもないんですね。
警視庁の平成25年の統計によると、一年間で一番空き巣が多い月は、4月なんです。
新年度、新入学の時期で引っ越しが多いからでしょうか?夏場暑いから、部屋を開けっ放しにする機会が増えるから空き巣が多くなるという訳ではないようです。
実際、上の警視庁のデータを見ると4月の803件に対して、7月は607件、8月が613件とかなり夏場が減少傾向にあることが分かります。
で、この空き巣に関する、噂というか、都市伝説のような話に、「空き巣に狙われやすい曜日は火曜日である」というものがあります。
その理由として、週のはじまり月曜日に気が張り詰めていたのが、翌日火曜日には張り詰めた糸がゆるんで警戒心が弱くなるからというもの・・・。
これは、以前から「そんな理由で火曜日に空き巣の被害が増えるのか?」と疑問をもっていました。
で、その疑問を解消すべく、今回は警察が公表してる統計データを調べてみて、本当に「空き巣に狙われやすい曜日は火曜日」なのか調べてみました。
警察庁のデータを見ると空き巣が多い曜日は金曜日だった!
早速、警察の空き巣に関するデータを調べてみました。
まずは平成24年の警察庁のデータです。
こちらのページの、認知状況の項目にある、11の窃盗、手口別、発生時間帯別認知件数に「発生曜日」のデータがあります。
こちらのデータの窃盗犯の項目の侵入盗の欄をみると・・・・一番件数が多い曜日は
7,714件で金曜日
でした。一方、火曜日の件数を見ると6,791件となっています。この2つのデータだけ見ると、あまり違いが分からないと思うので全曜日のデータを下記に書き出してみます。
【平成24年 曜日別窃盗発生件数】
日曜日 4,886件
月曜日 7,039件
火曜日 6,791件
水曜日 7,138件
木曜日 7,253件
金曜日 7,714件
土曜日 5,938件
これは平成24年のデータなので、他の年のデータも調べてみました。
同じく警察庁の同じ統計データの平成22年のデータになります。
【平成22年 曜日別窃盗発生件数】
日曜日 6,013件
月曜日 8,788件
火曜日 8,897件
水曜日 8,957件
木曜日 8,933件
金曜日 9,658件
土曜日 7,654件
平成24年も、平成22年も、警察庁の統計データを見ると、空き巣の発生件数が一番多い曜日は「金曜日」ということになっています。
逆に、火曜日は平日、ウィークデーに関しては平成24年は一番空き巣の発生件数が少なく、平成22年は月曜日に次いで少ない発生曜日になっているのが分かります。
というか、空き巣に狙われやすい曜日が火曜日だとする根拠の「月曜日は週初めで緊張して気が張り詰めていて、翌日の火曜日は気が緩むから空き巣が多い」という理論が、実際の統計データからすると全くあてはまってないことが分かります。
この「空き巣が多いのは火曜日」説を言い出したのは誰なのか知りませんが、この手の説をとなえるときは、今回のように実際の統計データを一旦調べてみて、そのデータから推測されることを、一つの「説」としてとなえる方が、説得力があるのではないかと思います。
・・・ということで、今回調べた統計データから、「空き巣が多い曜日は金曜日」だということが分かりましたが、なぜ金曜日なのか?
これこそ、週末でみんな気がゆるんでいるから空き巣が多くなるのではないでしょうか?
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